ケア・カフェ

 ケア・カフェは、まったく新しいコンセプトで行われる、医療者、介護者、福祉者の集まりです。ケアに関わる人が、行きつけのカフェを訪れるように気軽に集っておしゃべりをし、顔の見える関係を作る取り組みです。
 従来、このような人達は、各領域内で頑張ってはいても、なかなか繋がりを持つことはありませんでした。例えばがん患者、高齢者、子どもなどに対するケアにおいて、当然、各領域が連携をとる必要があります。しかし、それぞれを管轄する行政部署の違い(いわゆる縦割りの構造)などから、けして良い連携ができているとは言い難い現状です。そこで、ケア・カフェでは、医療・介護・福祉に関わる人たちがフラットな雰囲気の中、まずは「顔の見える関係を築くこと」自体を目標にしています。まず、異領域がつながる、そうして現場のケアがよくなっていく、それがケア・カフェのコンセプトです。ケア・カフェは2012年10月に旭川で始まり、そのコンセプトと気軽さが受け入れられ、今では全国150か所で開催されるようになりました。
 緩和ケアは多職種・多領域で行われるアプローチの代表です。学術大会においても、職種横断的なシンポジウムが組まれますし、他学会に比べれば、多様性を認め合う雰囲気のある大会です。しかし、直接他職種と話し合う場はなかなかなく、まだまだ各領域間の敷居は高かったと思います。
 多職種、多領域の人達が集まる日本緩和医療学会の場でケア・カフェを行う意義はここにあります。ケア・カフェが提供するのは、職種間の壁を超えた「繋がりの場」であり、「日頃のケアの相談場所」です。普段は気軽に話ができないような職種と繋がりを作り、セミナー会場では質問できない“ちょっとした疑問”を解決する場なのです。
 テーマ内(場合によってはそこから多少逸れたとしても構いません)であれば、何を話してもいいことになっています。また参加者の制限もありません。あらかじめの知識も必要ありません。その日その場で参加者により創られるものがケア・カフェの成果となります。特別な学びを求めてくると不全感を抱くかもしれません。しかし、そのゆるさが共感を呼び、全国に広がっているものです。とにかく一度ご参加いただければ、その良さが理解できると思います。たくさんの方のご参加をお待ちしております。

ケア・カフェについて詳細は下記ページをご覧ください。

第22回日本緩和医療学会学術大会期間中のケア・カフェ

大会期間中、ケア・カフェは5回行われます。
6月23日(金)
1回目 10:45~12:15 テーマ「痛み」
2回目 13:50~15:20 テーマ「生と死」
3回目 15:35~17:05 テーマ「連携」

6月24日(土)
4回目 10:00~11:30 テーマ「くすり」
5回目 13:00~14:30 テーマ「未来」

関心のあるテーマのときに会場にお越しください。
※できるだけ90分フル参加でお願いします。

参加者の皆さんにしていただくことは難しいことではありません。すごく簡単に言えば、「コーヒーを飲みながらおしゃべりをする」だけです。お願いがひとつだけあります。今回のような交流に、肩書きや業績といった荷物は邪魔になります。これらは一旦ロッカーにでも預けてきてください。

たくさんのご参加をお待ちしております。
会場でお会いしましょう。

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